都会の真ん中にある静かなホテル ♪ 三島由紀夫が有名になりすぎないで欲しいと望んだホテルが間もなく休業! 多くの文豪に愛されたホテルを見学してきました ♪ ☆山の上ホテル
こんにちは。
当ブログにお立ち寄りくださいまして有り難うございます。
「山の上ホテル」が休業を発表したのが昨年10月末のこと。
明大通りに大きな看板が出ているので以前から存在は知っておりましたが、実際にはどういうホテルかは知らないので休業を前にこの度見学してきました。
JR線の御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口を出て、交通量の多い明大通りを下っていきます。
明大校舎を過ぎるとご覧の看板が見えてきます。
この道を曲がると、緩やかな上り坂の先に見える建物が「山の上ホテル」です!
ジグザグな外観が特徴のこの建物は、1937(昭和12)年に建てられた “アールデコ様式” の洋館で、アメリカ出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計によるものだそうです。
客室は35室という小さなホテルは今年で竣工87年ということで、老朽化への対応を検討するために今月13日から休業に入るそうです。
建物のすぐ右の通りはご覧のように下っているので本当に小高い場所に建っていて「山の上」という名前がピッタリなホテルです!
建てられたのは1937(昭和12)年ですが、当初は「佐藤新興生活館」として女性に西洋の生活様式やマナー等を啓蒙する施設だったそうです。
戦後はGHQに接収されましたが、その接収解除後の1954(昭和29)年1月20日にホテルとして開業しました。
今年はホテルとして開業70周年になるんですね。
米国人が「Hilltop」と呼んでいたことから「Hilltop Hotel」となり、山の上ホテルの創業者である吉田俊男氏が「Hilltop」を「丘の上」ではなく「山の上」と意訳したことで「山の上ホテル」となったそうです。
昔のガス灯を彷彿させるお洒落な街灯もこのホテルにピッタリな感じがします。
右側面と後ろ側はこんな感じです。
こちらは中庭入口で、この上にチャペルがあります。
館内を見学しているとフロントの方が「15時過ぎてますからチャペルもご覧になっていってください!」とお勧めしてくださったので、15時過ぎると入れるのかもしれませんね。
帰りに寄りましたので、後程ご紹介します。
見学は自由にできますが、宿泊者以外は2階以上の客室には入れません。
階段を上がりますと優しく声がけされますのでご注意くださいませ。
入口入ってすぐの床にあるこちらの八芒星のタイル。
2019年の改修の際に絨毯を剥がしたら出てきたもので、創建当時のものなんだそうです。
八芒星に合わせてか、天井の照明も八芒星の装飾が施されておりお洒落です。
入口入って左手奥はショップがありましてケーキなど買うことができます。
焦げ茶色の壁と天井の白色のコントラスト、金色に輝くシャンデリアがとっても素敵な部屋です。
私は「山の上ホテル」と銀色の刻印がされた鉛筆と筆箱のセットが欲しかったのですが、お値段がちょっと高いので諦めました。
入口入って右側奥に見えるのは小ロビーです。
多くの見学者で賑わっており、フカフカのソファーは皆さん寛がれていて空き待ち状態でした。
この写真を撮ったのは15時過ぎで、タイミング良く皆さん帰られたのでご覧のようにガラガラに。
私も記念に座って少々ゆっくりさせて頂きました。
ただ、こちらのデスクはスタッフ専用で座れませんが、その前の2つの席は座って大丈夫なようですよ。
一角に置かれているこちらの書物机では大作家が調べ物をされていたそうで、横にある書棚の本は縁のある作家が寄贈してくださったものなんだとか。
下の階にはレストランがありまして、宿泊者以外も下りて大丈夫です。
手すりが金色でピカピカ!
踊場の壁にある「1/B1」の案内もステンドグラス的でちょっとお洒落なものです。
階段は1段の高さが18cm で、老若男女が登りやすい緩やかな設計にしてあるそうです。
巾木のタイルは美濃焼きだそうです。
下りたら是非上を見上げてください。
吹き抜けになっていて、ずっと先に見えるのはステンドグラスで柔らかい光が射し込んでいました。
各レストランへと続く通路の壁には、山の上ホテルの貴重な図面や作家の直筆の書などが展示されており、ここだけでも見るのに結構な時間が必要です。
帰りにはチャペルも見学させて頂きました。
屋外にあり吹きさらしなので冬場は厳しいですね。
ストーブがあちこちに用意されておりました。
真っ白い綺麗な造りで、天井はガラス張りなので大変明るいです。
グルリと客室以外はだいたい見学させて頂きましたが、本当に静かでお洒落なホテルでした。
フロントの方の話ですと一時的に休業となりますが、先のことはまだ決まっていないそうです。
診断した結果で、部分的な修復で済むようであれば修復して再開できるけど、耐久性にもう難しいようであれば残念ながら解体になってしまうのだとか。
できる限り部分的な修復で済んでもらいたいものです。
休業は13日からです。
素敵なアールデコ様式の小さなホテル、休業前に見学されてみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いくださいまして有り難うございました。
○●○ 山の上ホテル ○●○
住所:〒101-0062
東京都 千代田区 神田駿河台 1ー1
電話:03-3293- 2311
HP:https://www.yamanoue-hotel.co.jp