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去る今月の4日、久し振りに東京は港区にあります東京都庭園美術館を訪ねてきました。
昨年8月に行った『フィンランドグラスアート展』以来ですから約9ヶ月振りのことです。
東京はまだ開花宣言が発表されていませんでしたが、早くも桜が満開で見事でした!
今回の訪問目的は去る2月17日から始まっております
『開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く AtoZ』
新宿駅の地下通路に貼られていたこちらのポスターがきっかけです。
東京都庭園美術館のサイトを見ても
「あるがままの旧朝香宮邸を知っていただく機会」
と謳っているので建物好きの私としては行かない訳にはいきません!
「旧朝香宮邸を見つめ直す試みとして、「Art Deco」「Bathroom」等… 空間に散りばめられたキーワードを解説しながら導く構成で館内を回っていただきます」
と書かれておりまして、はて、一体これはどういう流れなのか?
学芸員さん1人につき数名がまとまって行動し、説明を受けながら館内を巡っていくのか、それとも……
また写真を撮る時間は十分にあるだろうか……
色々疑問でしたが、果たして個人行動で自分のペースでゆっくり見学ができるものでした。
正門から長い道を歩いて、満開の桜の先に見えてきたのが “アールデコの館” と言われる旧朝香宮邸です。
入口には企画展の『AtoZ』の看板が!
先ずは正面玄関のルネ・ラリック作の女性像のレリーフからです。
立体的に作られており「SATINE(絹のような)」という艶消し加工が施されているため、背後の部屋からの光で優しくモヤァ〜と光っているのが何度見ても飽きず美しいです。
先に女性像に目が行ってしまいますが、その前に広がるモザイクタイルの床も見るのもお忘れなく!
細かいタイルで作られた床は大変美しく素晴らしいです!
今回の企画展では、嬉しいことに 館内の写真撮影が可能 です ♪
旧朝香宮邸といえば、この「香水塔」が有名だとおもいます。
その香水塔の足元にある “草”、これは雑草の取り忘れではありませんよ!
これはゲストアーティストとして迎えられた須田悦弘さんの作品です。
木に彩色を施したそうで、どれも精巧に作られていて素晴らしいです。
今回の企画展では、館内の6箇所にさりげなく飾られておりますので是非見つけてみてください。
どこにあるかは入口でいただける案内図に載ってますし、学芸員さんに聞けば教えてくださいます。
私と同僚は、この香水塔と後にご紹介します金庫室に飾られたものにはまんまと引っ掛かってしまいました!
ここは大広間です。
一年を通じて様々な企画展が催されていて、作品の展示会場としての役割を担っているこちらの建物ですが、今回の企画展は
「旧朝香宮邸の素の姿、お見せします」
と謳っている通り “建物がメイン” なので、パネルや展示物はありません!
どの部屋もカードが置かれたこの什器くらいです。
こういった什器が各部屋に用意されていて、その部屋にまつわる解説が書かれたカードが置かれております。
そして、これ、貰えるんですよ ♪
カードは厚手の紙でしっかりしています。
AからZまで26枚のカードが用意されているので順路に沿って回り集めて行きます。
ただし、カードはアルファベット順ではありません。
途中で貰い忘れがないか確認しながら進むことをお勧めします。
最後にはまとめてオリジナルガイドブックに仕上がります!
部屋の奥はご覧のように絨毯が一部剥がされていて本来の床が見られるようになっています。
この「床」が今回の大きな見所の一つでもあります。
通常は絨毯が敷かれている部屋も、今回の企画展では絨毯の一部を外して本来の寄せ木床を公開しているんです。
近くにいた学芸員さんの話によると、このように本来の床が見られるのは開館以来初めてのことなんだとか!
幾つかの部屋で床が公開されていますが、それぞれ模様が異なっていて素晴らしいです。
また別の学芸員さんに話を伺ったところ、今回は通常だと閉められているカーテンも開けてあり、明るい部屋を見学できるようにしているんだそうです。
確かに過日の『フィンランドグラスアート展』の時と比べると、今回はレースのカーテンまで開けてくれておりました!
ここはベランダです。
ベンチが置かれているので是非座って休んでみてください。
陽当たりが良くて気分は最高です ♪
そしてこのベランダ側から見るバスルームは私は初めてです!
通常は公開されていない金庫室も公開されています。
ここにも須田悦弘さんの作品が飾られておりますので、注意深く床を観察してみてください。
決して金庫に舞い込んで掃除し忘れた訳ではありませんよ!
3階のウィンターガーデンも公開されております。
今回はすんなり入れましたが、こちらは定員が決まっており入場制限があります。
排水口の蓋まで見て楽しめると紹介されていますが、「第二浴室」は今回は公開されていないとのことです。
順路の最後はこちらの新館です。
旧朝香宮邸に使われている壁紙や家具が展示されております。
これは香水塔の縮尺模型ですが、あの大きな香水塔の上部はこうなっていたんですね。
そしてこちらの部屋には最後のカードとして「表紙」が置かれております。
パンチが用意されていて、親切にもリングやリボンまで用意してくれておりますので、ここまで集めたカードを自分だけのちょっとしたガイドブックに仕上がげることができます。
私は帰宅後にゆっくり穴開けしようと思ったので何もしませんでした!
表紙も付いて自分オリジナルのガイドブックが仕上がりましたらカフェで一休みしてはいかがですか?
今回の企画展限定の、見た目が豪華でお洒落なケーキをいただけます。
木苺の甘酸っぱさが口中に広がってとてもおいしかったです ♪
ざっとのご紹介でしたが、通常は見られないところまで公開してくれているこの企画展は来月12日までだそうです。
カードに書かれた説明を元に、当時の朝香宮ご一家の暮らしを想像しつつ、館内を巡ってみてはいかがでしょうか。
幾度となく訪ねていらっしゃる方でも今回の企画展はより一層楽しく巡ることができると思いますよ ♪
最後までお付き合いくださいまして有り難うございました。
○●○ 東京都庭園美術館 ○●○
『開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z』
住所:〒108-0071
東京都 港区 白金台 5ー21ー9
電話:03-3443-0201
会期:令和6年2月17日(土)より
5月12日(日)まで
営業時間:午前10時 〜 午後6時
定休日:月曜日(詳細はHPをご確認ください)
HP:https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/240217-0512_a-to-z/