ようめいどう日暦

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進駐軍の目を驚かす目的で作られた!? 戦後間もない日本の名所旧跡を紹介した大きな石膏製レリーフが、東京駅の京葉線改札外に保存されています! ☆『R.T.Oレリーフ』 東京駅


こんにちは。
当ブログにお立ち寄りくださいまして有り難うございます。



東京駅の京葉線改札口に大きな石膏でできたレリーフが保存されております。


以前同僚から聞いていたので一度見ておきたいと思っておりましたが、京葉線の改札口はかなり離れているんですよね。


先日東京駅を使う機会があり、待ち合わせの時間まで少しありましたのでちょっと足を延ばしてみました。



京葉線乗り場までは長いこと長いこと!
動く歩道を3つ通ってやっとこさ。
待ち合わせ時間に戻れるか心配になるほど距離がありました。




やがて大きなステンドグラスが見えてきました。



『天地創造』というタイトルのようです。
人と比べてお分かりの通りかなり大きな作品です。



このステンドグラスの先に改札口がありまして、そのレリーフが見えてくるのですが、改札を出た壁面に保存されおりまして全てを見るには改札を出ないといけません。


改札機の先に見える茶色のがそのレリーフの一部です。




ご覧のように通路に沿って壁面に保存されております。



正式には


R.T.Oレリーフ


といい、「R.T.O」とは進駐軍の鉄道司令部である「ailway ransportation ffice」のイニシャルだそうです。


調べてみたところ、「R.T.O」は昭和20年から27年に廃止されるまで全国の約230箇所の米軍駐屯地の最寄駅に置かれたようで、進駐軍専用列車の運行や進駐軍兵舎との輸送連絡などを執り行っていたそうです。



このレリーフに戻りますが、説明文によりますと、その「R.T.O」が東京駅丸の内駅舎南口改札脇に設置されるにあたり「進駐軍の目を驚かす意匠を施せないだろうか」という運輸省の建築技術者の声で急遽作られたものなんだとか。


しかし、中沢啓治さんの『はだしのゲン』でも、敗戦国である日本は何をするにも連合国の許可が必要だったと書かれているのに、本当に運輸省の意向で出来たことなのかな……と少々疑問に感じるところもあります。


まあ、それは置いておいて



説明文には完成当時の写真も載っておりまして、R.T.O待合室の壁3面に石膏で施されたそうです。




これらは東面と南面に施された日本の名所旧跡ですが、完成当時の写真と比べると配置が違っておりますが、全て遺されているようでして大変に素晴らしいことと思います!




残る1面に施されていたのは、こちらの日本地図のようです。


左端の方と比べて大きいことがお分かり頂けると思います。



ガラス越しですが、近づいてよくよく見ると、部分的に色付けされているんですよ。


AKITA、MORIOKA……


見せる相手が進駐軍なので、表記は当然ながらアルファベットですね。


仙台の上に位置し、3体の仏像……ということは、岩手県の平泉中尊寺金色堂でしょうか。



上は日光東照宮ですね。


下の関東地方は富士山に鎌倉の大仏様、横浜は……、まだベイブリッジは無いはずですから……この橋らしきものは何でしょうね?


右の飛行機は羽田空港ですかね。




姫路城に、中国地方は山口県岩国の錦帯橋、鳥居は広島県の厳島神社ですかね。


九州地方は阿蘇でしょうか。


日本の名所が紹介されております。



東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事に伴い、このレリーフは2012(平成24)年にこの場所に保存復元されたそうです。


進駐軍に……という、作られた背景にはいまいち好感が持てませんが、時を経た今となっては貴重な文化遺産。
処分されず保存されて本当に良かったと思います。



少し離れた場所にありますが、東京駅を使う機会がありましたらご覧になってみてはいかがですか。


最後までお付き合いくださいまして有り難うございました。